
「廃車」は日常の言い方で、運輸支局での正式な手続きは抹消登録です。車をスクラップにするのか、しばらく使わないだけなのか、輸出するのかで手続きの種類が変わり、税金や保険の戻り方も変わります。
このページでは、国土交通省の自動車検査登録総合ポータル、国税庁のタックスアンサー、軽自動車検査協会の案内をもとに、抹消登録の種類と必要書類、還付の条件を整理しました。手数料は2026年4月1日に改定された額で書いています。
抹消登録の公式案内
- 国土交通省|抹消登録(登録の概要)一時抹消・永久抹消・輸出抹消
- 国土交通省|解体したときの手続きに必要な書類永久抹消の書類
- 国税庁|自動車重量税の還付(No.7193)還付の条件と時期
- 軽自動車検査協会|廃車(返納)の手続き軽自動車の返納・解体返納
抹消登録の3つの種類
| 種類 | 使う場面 | 根拠 |
|---|---|---|
| 一時抹消登録 | 車の使用を一時的にやめる(長期の入院・海外赴任、売却先が決まるまで保管など)。再登録できる | 道路運送車両法第16条 |
| 永久抹消登録 | 解体(リサイクル事業者に引き渡して適正に解体)・滅失・用途廃止 | 同法第15条 |
| 輸出抹消仮登録 | 車を輸出する | 同法第15条の2 |
一時抹消した車をあとで解体した場合は、15日以内に解体届出をします(同法第16条第2項)。重量税の還付はこの解体のタイミングで申請します。
抹消登録の手数料(2026年4月1日現在)
| 手続き | 窓口 | OSS |
|---|---|---|
| 一時抹消登録 | 500円 | 450円 |
| 永久抹消登録 | 無料 | 無料 |
| 輸出抹消登録 | 500円 | 500円 |
| 一時抹消後の解体届 | 無料 | 無料 |
| 一時抹消後の輸出届 | 500円 | 500円 |
一時抹消登録は改定前は350円でした。古い解説や社内の手順書に350円と書かれている場合は更新してください(国土交通省「自動車の登録・検査の法定手数料変更について」)。
一時抹消登録の必要書類
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| 申請書(OCR第3号様式の2) | 窓口で入手 |
| 手数料納付書 | 一時抹消の手数料分の印紙を貼る |
| 所有者の印鑑証明書 | 発行から3か月以内 |
| 委任状 | 代理人が申請する場合 |
| 自動車検査証 | |
| 自動車登録番号標(ナンバー2枚) | 返納する |
| 事業用自動車等連絡書・登録識別情報 | 該当する場合 |
永久抹消登録(解体)の必要書類と期限
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| 申請書(OCR第3号様式の3) | 解体報告記録日と移動報告番号を書く |
| 手数料納付書 | 手数料は無料 |
| 印鑑証明書・委任状 | 所有者のもの。代理人が申請する場合は委任状 |
| 自動車検査証・ナンバー2枚 | 返納する |
| 住所・氏名のつながりを証明する書面 | 車検証の記載から変わっている場合 |
| 自動車重量税の還付申請書 | 還付を受ける場合。永久抹消登録申請書と兼用。受け取りを委任する場合は委任状も |
移動報告番号は、引取業者が交付する「使用済自動車引取証明書」に載っています。解体の流れは自動車リサイクルシステムで管理されていて、解体業者が解体報告をすると記録が残ります。
期限は、解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内です(同法第15条第1項)。解体した日でも記録の日でもなく、記録を知った日から数える点に注意してください。
所有者が亡くなっている場合は、相続人のうち1人の申請で永久抹消ができます(戸籍謄本などを添付)。
自動車重量税の還付
国税庁のタックスアンサー(No.7193)によると、還付を受ける条件は次の2つです。
- 解体を理由とする永久抹消登録の申請(または解体届出)と同時に還付申請書を出すこと
- 車検の残り期間が1か月以上あること
還付額は車検の残り期間に相当する額で、窓口に申請書を出してから支払いまでおおむね2か月半かかります。一時抹消や輸出を理由とする還付は、このページの対象外とされています。車検の残りと税額の調べ方は自動車重量税の調べ方で解説しています。
自動車税・軽自動車税と自賠責
| 税・保険 | 廃車したときの扱い |
|---|---|
| 自動車税(普通車。2026年3月までの名称は自動車税種別割) | 抹消登録した月まで課税され、翌月以降の分が月割で還付される。基準は業者に引き渡した日ではなく抹消登録した日。還付の通知は自動で届き、申請は不要(東京都) |
| 軽自動車税(種別割) | 月割の制度がない。4月1日時点の所有者に1年分が課税され、年度途中に廃車しても還付されない(横浜市・名古屋市) |
| 自賠責保険 | 廃車のあと、損害保険会社(共済組合)の窓口で解約する。代理店ではできない。残り1か月未満なら返戻なし(国土交通省) |
軽自動車の廃車手続き
| 手続き | 場面 | 必要書類 | 手数料 |
|---|---|---|---|
| 自動車検査証返納届 | 使用を一時中止する | 車検証、ナンバー、軽第4号様式、申請依頼書(使用者以外が手続きする場合) | 返納証明書の交付を受ける場合450円 |
| 解体返納 | 解体した | 車検証、移動報告番号、ナンバー、解体届出書(軽第4号様式の3)、申請依頼書 | 無料 |
| 解体届出 | 返納済みの車を解体した | 最寄りの事務所でよい | 無料 |
軽自動車も、解体返納・解体届出と同時に申請し、車検の残りが1か月以上あれば重量税が還付されます。振込口座とマイナンバーなどの記載が必要です。
廃車にする前に:買取・業者オークションという選択肢
販売店や整備工場で下取り車・預かり車の処分に迷う場合は、解体を決める前に、業者オークションで同じ条件の車がいくらで落札されているかを確かめる方法があります。値段が付くかどうかは、年式や状態だけでは判断できません。オークションでの売却と相場の調べ方は、ASNET(オートサーバー)の入会案内サイトで解説しています。
ASNETは入会金・月会費0円で、全国の業者オートオークションに社内のパソコンから出品・入札できる中古車流通サービスです(入会は古物商許可を持つ事業者が対象)。
廃車手続きに関するよくある質問
一時抹消と永久抹消の違いは何ですか。
一時抹消登録は、車の使用を一時的にやめるときの手続きで、あとで再び登録すれば乗れます。永久抹消登録は、解体(スクラップ)・滅失・用途廃止などで車が使えなくなったときの手続きです。輸出する場合は輸出抹消仮登録をします。
抹消登録の手数料はいくらですか。
2026年4月1日現在、一時抹消登録は窓口500円・OSS450円、永久抹消登録は無料です。改定前は一時抹消が350円でした。軽自動車の自動車検査証返納届は、返納証明書の交付を受ける場合に450円、解体返納は無料です。
永久抹消はいつまでに申請しますか。
解体した場合は、解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内です(道路運送車両法第15条)。解体業者から移動報告番号と解体報告記録日の連絡を受けたら、早めに申請します。
廃車にすると自動車重量税は戻りますか。
解体による永久抹消登録(または解体届出)と同時に還付申請をし、車検の残りが1か月以上ある場合に、残り期間に相当する額が還付されます。支払いまではおおむね2か月半です(国税庁)。
自動車税は月割で戻りますか。
普通車の自動車税(種別割)は、抹消登録した月まで課税され、翌月以降の分が還付されます。還付の通知は自動で届くため申請はいりません(東京都)。軽自動車税には月割の制度がなく、年度途中に廃車しても還付されません。
自賠責保険はどうすればよいですか。
廃車(一時抹消を含む)のあと、損害保険会社(共済組合)の窓口で解約の手続きをします。代理店ではできません。解約は保険会社で手続きをした時点で成立し、残りの保険期間が1か月未満なら返戻金はありません。
登録手続きの書類や期限を、整備・販売の業務の中で管理するには?
名義変更や住所変更、抹消の期限は「15日以内」が多く、入庫や納車の予定と一緒に管理すると漏れが減ります。顧客と車両の情報、車検証の記録、見積・請求を1か所で扱えるのが自動車整備システム(自動車整備ソフト)や車両販売システム(車販ソフト)です。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかに加えて、整備システム リースなしで導入できるか、電子車検証の読み取りに対応しているかを確認してください。
出典
このページは次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。
- 国土交通省 抹消登録:https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/about/register/erase/index.html
- 国土交通省 解体したときの手続き:https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/scrapp/index.html
- 国土交通省 登録・検査手数料一覧表:https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/assets/pdf/knstrk-tesuryo.pdf
- 道路運送車両法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
- 国税庁 タックスアンサーNo.7193:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7193.htm
- 東京都主税局 よくある質問(自動車税):https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/automobiles/j
- 横浜市 軽自動車税(種別割):https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/y-shizei/keijidousyazei/keiji.html
- 国土交通省 自賠責保険よくある質問:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/faq/index.html
- 軽自動車検査協会 自動車検査証返納届:https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/scrapped/return.html
- 軽自動車検査協会 解体返納:https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/scrapped/dismantling.html
- 自動車リサイクルシステム:https://www.jars.gr.jp/






